下宇部尾村(読み)しもうべおむら

日本歴史地名大系 「下宇部尾村」の解説

下宇部尾村
しもうべおむら

[現在地名]美保関町下宇部尾

中海に面し、地元では「しもうびょ」と称する。西は峰堂みねどう山の嶺により手角たすみ(現松江市)、東は辻堂つじどう山、大床おおとこ(露抜山)を境として森山もりやま村、北は大床山・おきトヂ山(巻谷山)を境として片江かたえ浦・すげ浦・きた浦に接する。中海には意宇いう大根だいこん島・(現八束町)が浮ぶ。当村の南の長尾ながおから山田やまだ川、北東の大床から田口たぐち川が南流して中海に注ぐ。東西に通称美保関往還が通り、西方堂田どうたで北へ分れ北浦へ至る道が通る。西方の集落を万原まんばらという。文久二年(一八六二)の島根郡村浦有高輪切帳(広島大学附属図書館蔵)ではつるべ輪・寺田てらだ輪・中坪なかつぼ輪・早田そうだ輪に分れていた。「出雲国風土記」島根郡所載の和多々わただ(周囲三里二二〇歩)は風土記時代には島だったようだが、近世南西にある和多田わただ鼻という岬にあたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報