下一栗村(読み)しもいちくりむら

日本歴史地名大系 「下一栗村」の解説

下一栗村
しもいちくりむら

[現在地名]岩出山町下一栗

上野目かみのめ村の北西南東流する江合えあい川左岸にあり、北西は上一栗村。江合川沿いに中山なかやま越出羽道が通る。古くは上一栗村を含めて「ひとつぐり」と称されたといい、芭蕉に随行した曾良の「旅日記」には「一ツ栗ト云村ニ至ル」とみえ、北方宿しゆくにある一栗館跡も「ひとつぐりだて」とよばれる。天文五年(一五三六)七月一三日、伊達稙宗・大崎義直らは、岩手沢いわてさわ城攻撃に際して「一栗」など二〇余郷に火を放っている(伊達正統世次考)。一栗館は「仙台領古城書上」によれば三八間に一二間の大きさで、城主は大崎家臣の一栗兵部とある。元禄一一年(一六九八)自序の「奥州永慶軍記」によれば天正一八年(一五九〇)藩祖政宗に攻め落され、城主一栗兵部は山形城主最上義光の元へ走ったという。前掲古城書上によれば、その後、大崎氏の支族四竈氏の城であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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