下て(読み)くだって

精選版 日本国語大辞典 「下て」の意味・読み・例文・類語

くだっ‐て【下て】

〘接続〙 (「くだりて」の変化した語)
手紙やあいさつの中で、自分の方の事柄を述べる時、その冒頭に用いて謙譲を表わす語。「くだって、私方もお蔭様にて無事越年いたしました」
消息(1899‐1900)〈正岡子規〉「下而私共も原稿反古の裏にうづくまりて」
物事を並列する時、やや価値の低いものという気持で終わりに挙げるのに用いる語。
※屋根裏の法学士(1918)〈宇野浩二〉「落語講談浪花節、さては、音曲、舞踊、くだっては、コミック手踊、新派悲劇
③ 時が移って。その後。
女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉三「大正十一年〈略〉、降って大正十三年一月頃」

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