上里(読み)かみさと

改訂新版 世界大百科事典 「上里」の意味・わかりやすい解説

上里[町] (かみさと)

埼玉県北西端,群馬県に接する児玉郡の町。人口3万0998(2010)。本庄市の北西に接し,町域の大半は神流川の開析扇状地上にある。西を流れる神流川,北を流れる烏川が町北部で合流する。江戸時代は中山道(現,国道17号線)沿いの交通の要衝で,勅使河原には神流川を渡る渡船場があった。また黛には当地方の米を江戸へ送る河岸があり,明治中期まで繁栄した。江戸時代末期から養蚕製糸業が盛んとなり,大正末から昭和初めの最盛期には耕地の半分以上が桑園で占められた。第2次世界大戦後は開田が進み,ハクサイなど野菜の生産がふえた。利根川の自然堤防上ではトマト,キュウリなどのハウス栽培が行われ,県下でも有数の野菜産地となっている。関越自動車道本庄児玉インターチェンジ付近の旧開拓地には県の工業団地が造成されている。JR高崎線が通る。
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日本歴史地名大系 「上里」の解説

上里
かみのさと

古代の易美かみ郷の里。伴出した木簡から天平七年(七三五)から同一一年頃と推定される平城京跡出土木簡(「平城宮木簡概報」二二―二二頁)に「有渡郡易美郷上里」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報