上成木村(読み)かみなりきむら

日本歴史地名大系 「上成木村」の解説

上成木村
かみなりきむら

[現在地名]青梅市成木

下成木村の西に位置し、成木川が流れる。西部高水たかみず山・くろ山があり、北西部の小沢こさわ(標高四一〇メートル)を越えると秩父方面に通じる。この道筋はいわゆる鎌倉街道で、付近に正和二年(一三一三)はじめ四〇基ほどの板碑がある。地内に元応二年(一三二〇)四月八日銘の清大夫入道逆修板碑などがあり、また街道筋の大指おおざすの真言宗延命えんめい(現仏教系単立)には永和四年(一三七八)五月二〇日大檀那五雲並女と記す地蔵坐像が安置されており、この峠道は当時の要路であったことをうかがわせる。所久保ところくぼの曹洞宗慈眼じげん院には文安二年(一四四五)正月銘の六人交名鰐口がある。現所沢市中氷川なかひかわ神社の天文二三年(一五五四)銘棟札に「白石成木郷住人宮寺下野守」とあり、白石は石灰であろうか。

大蔵野おおくらのにある熊野社(現成木神社)蔵の寛永一〇年(一六三三)棟札に「杣保内上成木郷」と記される。田園簿に村名がみえ、田五九石余・畑四四四石余で幕府領、ほかに紙舟役永三貫六五四文。寛文元年(一六六一)の年貢割付目録(青梅市史)では綿五貫三〇〇匁・永三貫七一〇匁で、この納方は紬永七四〇匁・紙永四貫七〇〇匁、ほかに荏永二石一斗・永三五〇文、漆七〇盃・永九貫八〇〇匁。同八年の高麗郡三田領上成木村検地帳(川口家文書など)では高二六二石余・七四町九反余で、うち上畑七町六反余・中畑一八町九反余・切畑一八町七反余など。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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