三国司(読み)サンコクシ

デジタル大辞泉 「三国司」の意味・読み・例文・類語

さん‐こくし【三国司】

室町時代国司を称した三家土佐の一条氏、伊勢北畠きたばたけ氏、飛騨姉小路あねがこうじ氏。いずれも公家の出で、旧来の国司が存続してきたのはこの三家だけであった。

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精選版 日本国語大辞典 「三国司」の意味・読み・例文・類語

さん‐こくし【三国司】

室町時代、国司として存続していた三家をいう。飛騨国司(姉小路家)、伊勢国司(北畠家)、土佐国司一条家)。〔運歩色葉(1548)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三国司」の意味・わかりやすい解説

三国司
さんこくし

守護地頭の設置以来無力化した国司制度のなかで,室町時代,国司を称して在地勢力を張った飛騨の姉小路氏,土佐の一条氏 (→一条家 ) ,伊勢の北畠氏戦国大名をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の三国司の言及

【姉小路氏】より

…飛驒国司家。世にいう三国司の一つ。藤原師尹の子済時が姉小路氏を称し,その裔が,鎌倉後期に飛驒に所職を有していたらしいが,家綱のとき,建武年中(1334‐38)に南朝のいう御料の一国である飛驒の国司に任ぜられたといい,南朝方として活躍し,1378年(天授4∥永和4)従三位参議に叙任された。…

【三国司家】より

…南北朝期から戦国末年にかけて,それぞれの国の国司として,領国経営を行った三家の総称。1548年(天文17)の述作という《運歩色葉集(うんぽいろはしゆう)》や《貞丈雑記(ていじようざつき)》などでは,飛驒国司姉小路氏,伊勢国司北畠氏,阿波国司一宮氏を三国司と称し,また合戦記ながら史料的価値も比較的高いとされる《足利季世記(あしかがきせいき)》では,姉小路氏,北畠氏に加えて土佐一条氏を挙げている。また江戸初期に成立した《甲陽軍鑑(こうようぐんかん)》などでは,伊勢,伊予,奥州を称するなど,諸書によって異同がある。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」