三フッ化ホウ素(読み)サンフッカホウソ

化学辞典 第2版 「三フッ化ホウ素」の解説

三フッ化ホウ素
サンフッカホウソ
boron trifluoride

BF3(67.81).テトラフルオロホウ酸ナトリウムNaBF4酸化ホウ素B2O3とをまぜて濃硫酸を加えて加熱すると得られる.室温では無色の刺激臭のある気体.Bを中心とした平面正三角形型分子で,B-F1.307 Å.密度1.57 g cm-3(-100 ℃,液体).融点-127.1 ℃,沸点-100 ℃.湿った空気中で発煙する.強いルイス酸で,ルイス塩基と付加化合物をつくる.たとえば,ジエチルエーテルと反応して付加物(C2H5)2O・BF3(141.93)をつくる.ZnまたはMgの共存下で H2 と反応させるとジボランとなる.アルカリ金属,アルカリ土類金属と白熱して反応する.水と反応して,ヒドロキソフルオロホウ酸H[BF4-n(OH)n],(n = 1~3)の混合物となる.カチオン重合触媒で,有機合成のアセチル化,アルキル化,縮合,重合,脱水などの触媒に用いられる.ジエチルエーテル付加物も同様の用途に利用される.[CAS 10294-34-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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