酸化ホウ素(読み)サンカホウソ

化学辞典 第2版 「酸化ホウ素」の解説

酸化ホウ素
サンカホウソ
boron oxide

B2O2,B4O3,B4O5など数種類のものが報告されているが,一般にはB2O3をさす.酸化ホウ素(Ⅲ):B2O3(69.62).無水ホウ酸,三酸化二ホウ素ともいう.オルトホウ酸を赤熱すると無色のガラス状のものが得られる.密度1.84 g cm-3融点577 ℃,沸点1500 ℃ 以上.水に溶けてメタホウ酸を経てオルトホウ酸を生じる.両性酸化物で,硫酸,リン酸に溶けてB(HSO4)3,BPO4を生じるが,加水分解するとB2O3を沈殿する.フッ素とは常温で反応してBF3と O2 とを生じるが,ほかのハロゲンとは反応しない.アルカリ金属マグネシウムアルミニウムなどで還元される.ギ酸ナトリウムと加熱しても,ホウ素に還元される.炭素では赤熱しても還元されない.耐熱ガラス,光学ガラス,窯業材料,顔料,電子セラミックスなどの原料として用いられる.[CAS 1303-86-2:B2O3][別用語参照]ホウ酸

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酸化ホウ素」の意味・わかりやすい解説

酸化ホウ素
さんかホウそ
boron oxide

各種の酸化物があるが,通常三酸化二ホウ素をいう。化学式 B2O3 。無水ホウ酸と呼ばれることもある。無色の斜方晶系であるが,結晶化しにくいため,もろいガラス状物質もあり,吸湿性がある。融点 450℃。沸点 1500℃以上。水,アルコールグリセリンに可溶。ケイ酸塩分解用融剤,冶金用融剤などとして利用される。

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