万竜寺(読み)ばんりゆうじ

日本歴史地名大系 「万竜寺」の解説

万竜寺
ばんりゆうじ

[現在地名]須坂市亀倉

天台宗善光ぜんこう大勧進だいかんじん末。本尊阿弥陀如来。山号帰命山は米子よなこ村奇妙山の異記であろう。四阿あずまや山信仰道場として、千手せんじゆ滝・不動ふどう滝等の滝山とともに古い修験の基地であったと推測される。登拝入口亀倉かめくら村に、くるみ坂・さいど原(才道屋敷さいどやしきを含む)・西にしいり(実は南にあたる)払沢ふつざわ潔斎に関係する地名が残る。払沢を渡ると比丘尼びくに石がある。

「三峰紀聞」は「僧但昌が帰命山で修業、亀倉村万竜寺を開基、将軍家御産之御祈祷の命を受け功験あり」としている。享和三年(一八〇三)「亀倉・米子両村山論に付、滝山と申ハ往古万竜寺之由亀倉村ヨリ申上候ニ付」という尋答書下書(万竜寺文書)によれば、慶長一六年(一六一一)但昌が滝山へ引きこもり苦修練行念仏を広め、貴賤群集して登山。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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