ロッククライミング(英語表記)rock climbing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ロッククライミング」の解説

ロッククライミング
rock climbing

岩登りのこと。岩場をよじ登る登山技術の一つ。もともとは山頂に至る過程で困難な岩場を克服するための技術だったが,1920年代頃から岩壁や岩峰そのものを目的とするスポーツとして,広義の登山から独立した行為をさすようになった。通常数百mまでの岩壁を対象とするが,なかには 1000m,あるいはそれをこえるスケールの壁もあり,その登攀をビッグウォール・クライミング (大岩壁登攀) と呼ぶ。技術的には壁面の凹凸や割れ目 (クラック) を手がかり足がかり (ホールド) として攀じ,途中ハーケン (独,英仏ではピトン) や埋め込みボルトなどを岩に打ち込んでザイルをかけて安全を確保する。ホールドのみで前進できないような箇所ではこれらの支点に鐙 (あぶみ) をセットして登るエイドクライミング (人工登攀) が用いられてきたが,1960年代半ばからアメリカを発信地として,肉体の鍛練と技術の向上によって人工手段に頼らないフリークライミング (自由登攀) が勃興し,50m以内の短いルートはほとんどすべてがフリークライミングされるようになった。同時に,岩にきずをつけず片手でセットできるチョック類も発達した。現代では,90゜以上のオーバーハングさえフリーで登られている。日本では 1980年を契機としてフリークライミング・ブームが起こり,世界レベルのクライマーも何人か出現した。 1989年には日本フリークライミング協会 JFAの設立をみた。

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百科事典マイペディア「ロッククライミング」の解説

ロッククライミング

岩登り。18世紀の登山は尾根を登る程度だったが,19世紀に入ると,ヨーロッパアルプスに興った近代スポーツとしての登山思想(アルピニズム)を背景に,アルピニストはより困難な登山形態を求めるようになり,ロッククライミングが生まれた。普通数人でパーティーを組み,互いにザイルで確保し合い,三つ道具ハーケンカラビナ,ハンマー)を使って登る。また,近年登攀(とうはん)道具を用いず(墜落防止のザイルは使用),岩壁を登るフリークライミングも盛んになっている。→人工登攀
→関連項目ゲレンデ

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精選版 日本国語大辞典「ロッククライミング」の解説

ロック‐クライミング

〘名〙 (rock-climbing) 登山で、岩壁や岩場をよじ登ること。高度な登攀(とうはん)にはザイル、ハーケン、カラビナなどの用具を用いる。岩登り。
※ぽんこつ(1959‐60)〈阿川弘之〉山掘り「二人の姿は小さく、岩場でロック・クライミングの訓練をしている登山者のように見えたかも知れない」

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デジタル大辞泉「ロッククライミング」の解説

ロック‐クライミング(rock climbing)

岩壁をよじ登ること。また、その技術。ハーケンあぶみなどの道具を積極的に用いるエイドクライミング(人工登攀とうはん)と、確保以外には道具をいっさい用いないフリークライミングとがある。岩登り。クライミング。

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世界大百科事典 第2版「ロッククライミング」の解説

ロッククライミング【rock‐climbing】

岩登りともいう。ヨーロッパ・アルプスに興った近代スポーツ登山の中で生まれ,その登攀(とうはん)の技術や考え方は,世界の登山史の中枢を占めて現代に至っている。
[歴史]
 19世紀を迎えるとヨーロッパでは山岳探究の興味が高まり,その後半期にはヨーロッパ・アルプスの名の知られた山頂のほとんどに登山者の足跡が印された。そしてこのころから,自分の体力や技術だけを頼りにしたガイドレス登山が行われ,困難や危険を承知のうえで,人の足跡のない新しいルートからの登山を喜びとし,そのルートの開拓が行われた。

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世界大百科事典内のロッククライミングの言及

【ケービング】より

… ケービングは,洞窟(鍾乳洞,溶岩洞,氷河洞など)という限られた空間で,しかも暗やみで行動するスポーツであるため,身体保護のための着衣(つなぎ服がよい)やヘルメットなどの装備を必要とするが,特別のケービング技術はない。ほふく前進,懸垂下降といった技術やラダー(ワイヤばしご)の使用など,ロッククライミングの地底での応用である。また,地底湖などでは,ダイビングの技術・装備も必要となる。…

【登山】より


[登攀技術]
 岩壁・氷雪の登降には安全を確認するため多くの用具を使用しての技術が要求される。岩登り,あるいはロッククライミングといわれる。岩登りの基本は両手両足のうち3点をつねに安全な手がかりや足場に置き,一つだけを動かし腕に頼らず足で登る。…

※「ロッククライミング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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