日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
レニエ(Mathurin Régnier)
れにえ
Mathurin Régnier
(1573―1613)
フランスの詩人。シャルトルに生まれる。宮廷詩人フィリップ・デポルトの甥(おい)。9歳で宗門に入り、ジョアユーズ枢機卿(すうききょう)Cardinal de Joyeuseに従って数次ローマに旅行、1605年パリに定住、放縦な生活を送る。08年、10編の風刺詩からなる『第一作品集』Premières Œuvresを発表、好評を博したが、13年ルーアンで夭折(ようせつ)する。作品としては公的な詩や宗教詩もあるが、その本領は風刺詩にあり、奔放な語彙(ごい)を駆って当代の悪弊を告発、マレルブに反対し、霊感の権利を強く主張した。
[渡邊明正]