ルビーロウムシ(読み)るびーろうむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルビーロウムシ」の意味・わかりやすい解説

ルビーロウムシ
るびーろうむし
[学] Ceroplastes rubens

昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目カタカイガラムシ科Coccidaeに属する昆虫。ルビーロウカイガラムシともよばれる。体は半円形で、3、4ミリメートルの貝殻で覆われる。幼虫は紅色、淡紅色、そしてアズキ色と変化する。体腹面にある気門から背側に向かって4本の紐(ひも)状の分泌物を出す。ミカンチャモチノキマサキなど多くの樹木に寄生し、害を与える。本州以南の日本全土、朝鮮半島、中国、台湾、東南アジアに分布する。日本には明治時代初期に侵入し、明治後期に侵入地の長崎県から各地へ広がった。しかし、近年は有力な天敵であるルビーアカヤドリコバチにより激減している。

[林 正美]

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百科事典マイペディア 「ルビーロウムシ」の意味・わかりやすい解説

ルビーロウムシ

ルビーロウカイガラムシとも。半翅(はんし)目カタカイガラムシ科の昆虫。ほとんど全世界の暖地,日本では関東・北陸以西に分布する。雌は無翅,直径4mm内外のあずき色の蝋状物質におおわれる。雄は1mm内外で暗紅色,透明の翅がある。ミカン,カキツバキ,モチノキなどの果樹庭木に寄生する害虫で,被害樹は樹勢が衰え煤(すす)病を併発する。以前はミカン類の大害虫であったが,ルビーアカヤドリトビコバチの発見以後その被害が激減した。

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世界大百科事典(旧版)内のルビーロウムシの言及

【ルビーロウカイガラムシ】より

…半翅目カタカイガラムシ科の昆虫。別名ルビーロウムシ。雌雄異形。…

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