日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラベッソン・モリアン」の意味・わかりやすい解説
ラベッソン・モリアン
らべっそんもりあん
Jean Gaspard Félix Lacher Ravaisson-Mollien
(1813―1900)
フランスの哲学者、芸術史家。ナミュールの生まれ。メーヌ・ド・ビランの哲学を継承し、さらにアリストテレス、シェリングらの影響を受ける。1837年アリストテレスの形而上(けいじじょう)学をメーヌ・ド・ビラン流の能動的哲学によって解釈し直した『アリストテレスの形而上学試論』2巻(1837、1846)により、道徳科学アカデミー賞を受賞。『習慣論』(1838)では、習慣性は意識の自発性を超えて自然そのものの自発性を示していると主張した。能動的理性の働きを習慣的諸事実の内部に認め、意識と無意識、意志と自動作用、つまり精神と自然の連続的相互連関性を認めて、独特の自然哲学、形而上学を樹立してブートルー、ベルクソンらに影響を与えた。
[足立和浩 2015年6月17日]
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