ヨウ化メチル(読み)ようかめちる(英語表記)methyl iodide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨウ化メチル」の意味・わかりやすい解説

ヨウ化メチル
ようかめちる
methyl iodide

有機ハロゲン化物の一つ。淡い芳香性の無色液体有機溶媒に溶けやすい。光を当てるとヨウ素を遊離して着色する。ヨウ化カリウム水溶液硫酸ジメチルを加えれば得られる。メチル化剤として用いられるほか医薬発泡剤に用いられることもあるが、皮膚に付着すると炎症をおこし、蒸気を吸入すると神経障害をおこし、かつ習慣性がある。ラットの経口半数致死量(LD50)は体重1キログラム当り20ミリグラム。

[加治有恒・廣田 穰 2016年11月18日]

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化学辞典 第2版 「ヨウ化メチル」の解説

ヨウ化メチル
ヨウカメチル
methyl iodide

iodomethane.CH3I(141.94).ヨードメタンともいう.硫酸ジメチルにヨウ化カリウム水溶液を反応させるか,メタノールにヨウ素と赤リンを作用させると得られる.液体.融点-66.5 ℃,沸点42.4 ℃.2.279.1.5317.有機溶媒に可溶,水に微溶.多くの第三級アミンと反応して第四級アンモニウム塩を生成するなど,有機合成におけるメチル化剤として用いられる.空気中で光により一部分解して褐色になるので,冷暗所に保有する.[CAS 74-88-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報