日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
マレー(Jean Marais)
まれー
Jean Marais
(1913―1998)
フランスの俳優。シャルル・デュランのもとで演技を学び、1933年から映画にも出演。1937年その古典的な容姿をジャン・コクトーに発見されて以来、コクトーの芝居と映画に主演。コクトーの関係した映画『悲恋』(1943)、『美女と野獣』(1945)、『ルイ・ブラス』(1947)、『双頭の鷲(わし)』(1947)、『恐るべき親たち』(1948)、『オルフェ』(1949)、『オルフェの遺言』(1960)に出演して1940~1950年代のフランスの代表的二枚目となったが、コクトーの死後の1960年代は振るわず、活劇スターに転じた。1970年代以降は舞台にもどり演出も手がけたが、映画出演はきわめて少ない。コクトー没後20年に当たる1983年、コクトーの生涯を演じる一人芝居で好評を博した。1985年(昭和60)には日本でも上演した。1996年レジオン・ドヌール勲章を受章。
[畑 暉男]
『石沢秀二訳『ジャン・マレー自伝 美しき野獣』(1977・新潮社)』▽『岩崎力訳『私のジャン・コクトー』(1995・東京創元社)』
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