マグネシアセメント

百科事典マイペディア 「マグネシアセメント」の意味・わかりやすい解説

マグネシアセメント

マグネシア酸化マグネシウム)と塩化マグネシウム原料とする一種の調合セメント。使用に際し,1000℃以下で焼成されたマグネシアを苦汁(にがり)および他の混合物(石材片,おがくずなど)と混練する。組成はmMgO・MgCl2・nH2O。硬化時間が早く,強度も大きく,木材との接着性がよいが,耐水性・耐火性が劣り,硬化後発汗現象を示すことがある。床張,壁塗装,人造石などに使用。
→関連項目セメント

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化学辞典 第2版 「マグネシアセメント」の解説

マグネシアセメント
マグネシアセメント
magnesia cement

マグネサイトあるいは海水マグネシアを800~900 ℃ でか焼して得られる軽焼マグネシアを,塩化マグネシウム水溶液で練ると硬化するセメントの一種.砂,石粉,コルク,のこくずなどが配合され,建物,船舶,車両などの床,壁の塗装,人造石やタイルの製造に用いられる.硬化は速く,強度と硬度が高く,硬化体は光沢があり,半透明で着色もしやすいが,吸水性が高く,鉄をさびさせやすく,収縮が大きくき裂が生じやすい欠点もある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マグネシアセメント」の意味・わかりやすい解説

マグネシアセメント
magnesia cement; oxychloride cement

ソーレルセメントともいう。炭酸マグネシウム水酸化マグネシウムを 1000℃以下で焼いてつくった軽焼マグネシア MgOを,にがり溶液 ( MgCl2 液) で練って硬化させたセメント。硬化はオキシクロライド塩の生成による。木材との密着性がよいため,おが屑,コルク粒,石粉,砂などの充填材,色顔料を配合しモルタルとして使用。また,人造大理石の製造に用いる。

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世界大百科事典(旧版)内のマグネシアセメントの言及

【セメント】より

…耐火物,緊急工事,寒冷地の工事,耐薬品性を要する場所の工事などに用いられる。マグネシアセメントmagnesia cementオキシクロライドセメントの一つ。気硬性セメントで,1867年フランスのソレルSorelにより発見された。…

※「マグネシアセメント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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