こう‐ど カウ‥【硬度】
〘名〙
①
物体の
硬軟の程度を表わす語。主に、金属のかたさ試験に用いられる押込法と、
鉱物のかたさ試験に用いる引掻法によって測る。押込法は、
鋼鉄の球を一定の
荷重によって試料の表面に押し付け、そのへこみぐあいによって表わし、引掻法は、頂角が九〇度のダイヤモンドの円錐体で試料の表面を引っ掻いて、その傷によってかたさを表わす。かたさ。
※城のある町にて(1925)〈
梶井基次郎〉雨「質の緻密な玉を硬度の高い金属ではじくやうな蟲もなき出した」
② 水の硬軟の程度を表わす語。水一〇〇cc中に含まれるカルシウム
イオン、
マグネシウムイオンの量を
酸化カルシウムの量に換算し一ミリグラムを一度とする。二〇度以上を
硬水、一〇度以下を
軟水、一〇~二〇度のものを中間の水という。
③ X線の物体に対する透過能力の程度を表わす語。透過能力の大きい、波長〇・四オングストローム以下のものを硬X線、透過能力の小さい、波長五~六オングストローム以上のものを軟X線という。
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硬度
こうど
固体鉱物を含む物質の硬さを数字的に表示したもの。絶対的表示(たとえばビッカース硬度)と、相対段階表示(たとえばモース硬度)の方式があり、後者については段階表示の尺度となる物質を一括して組みにしたものを硬度計という。鉱物に対して用いられる硬度には、これらのほか、不透明鉱物の琢磨(たくま)片の観察の際に用いられる琢磨硬度、擦過硬度がある。これらは一種の相対硬度で、前者は一定条件で琢磨片を作成した場合、隣接する2種の鉱物の凹み具合の差であり、後者はそうして仕上げた表面に擦痕(さっこん)をつくった際の擦痕の深さ(幅)の差を硬度計式表示によって示したものである。
[加藤 昭]
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硬度【こうど】
(1)機械工学では硬(かた)さを用いる。鉱物の硬度はモース硬度で表す(モース硬度計)。(2)水の硬度。水に溶けているカルシウムイオン,マグネシウムイオンの量を表す数値。国によって表し方が異なり,日本やアメリカでは水1l中に炭酸カルシウムCaCO31mg含むものを1度とする。ドイツ硬度では,水100ml中にカルシウムを,酸化カルシウムCaOに換算して1mg含むものを1度とする。工業上は硬度20度以上の水を硬水,10度以下の水を軟水という。
→関連項目硬水|度|軟水
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デジタル大辞泉
「硬度」の意味・読み・例文・類語
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硬度
(1) 水の硬さを示す指標.カルシウム,マグネシウムを主とするイオンの含量の指標となる.(2) 一般にいわゆる硬さ.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
こうど【硬度 hardness】
機械工学では〈かたさ〉を用い,鉱物の硬度はモース硬度で表す。硬さモース硬度計
[水の硬度]
水中のカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの溶存量を示す尺度。厚生省制定の〈上水試験方法〉(1978)では,これらのイオン量をCaCO3量に重量換算し,水1lあたりのmgで表す。以前はppmで示した時もあり,またセッケンの泡立ち能力の差で判定したこともあった。硬度には,(1)総硬度,(2)カルシウム硬度,(3)マグネシウム硬度,(4)非炭酸塩硬度(永久硬度),(5)炭酸塩硬度(一時硬度),の5種がある。
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普及版 字通
「硬度」の読み・字形・画数・意味
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