マオウ(麻黄)(読み)マオウ

百科事典マイペディア 「マオウ(麻黄)」の意味・わかりやすい解説

マオウ(麻黄)【マオウ】

中国など主としてユーラシアに自生するマオウ科草本状小低木,シナマオウ,フタマタマオウなどの総称。茎はトクサに似て分枝し,葉は鱗片状で対生する。雌雄異株。裸子植物であるが,被子植物の性質もあわせもつ。全草にアルカロイドエフェドリンを含み,地上茎を乾燥して発汗解熱鎮咳(ちんがい)剤として用い,また塩酸エフェドリン原料とする。
→関連項目薬用植物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マオウ(麻黄)」の意味・わかりやすい解説

マオウ(麻黄)
マオウ
Ephedra sinica

マオウ科の常緑小低木。中国北部,モンゴル原産。シナマオウともいう。砂地に生える草状の裸子植物で茎の高さは 30~70cm,根茎は太く木質,黄赤褐色で枝を分つ。茎は一見トクサに似て緑色で細長く,比較的分枝が少く節が多い。葉は白色を帯びた鱗片状で,節ごとに対生し,基部は合体して短い鞘になる。雌雄異株で,夏に花序を単生し,それぞれ2個の花をつける。雄花は包葉片が2~4個,おしべ2~4個が合生し,雌花は包葉片の下部が合生して胚珠は裸出する。種子は黒褐色で,赤く肉質化した包葉に包まれる。アルカロイドを含む薬用植物として知られ,主成分はエフェドリンで発汗,解熱に使われ,また根と節の部分には抗エフェドリンの薬理作用があり,止汗剤とする。

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