マイコガ(英語表記)Heliodinidae; signal moth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マイコガ」の意味・わかりやすい解説

マイコガ
Heliodinidae; signal moth

鱗翅目マイコガ科の昆虫総称。小型の昼飛性のガで,葉上で踊るような行動をとるものがあり,「舞子蛾」の名がついたが,踊るものはむしろ少い。一方,静止すると後肢を上に立てるものが多い。前翅の開張幅 10mm前後のものが普通で,頭はなめらかで光沢がある。下顎鬚は細く上に向き,先端はとがって頭上に突出する。後肢脛節と節には剛毛が輪生する。前・後翅とも細く,長い縁毛をもち,前翅は暗色で黄色斑紋をもつものが多い。幼虫は葉や果実に潜入するものが多く,また,ワタムシを捕食する種もある。日本からは十数種を産する。カキノヘタムシガ Kakivoria flavofasciataカキ害虫としてよく知られ,へたの部分に産みつけられた卵から孵化した幼虫がカキの実中に食入る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイコガ」の意味・わかりやすい解説

マイコガ
まいこが / 舞妓蛾

昆虫綱鱗翅(りんし)目マイコガ科Heliodinidaeの総称。はねの開張5~10ミリくらいの小形種を含む小さな科で、分布の中心が熱帯にあり、日本ではクロマイコガとハリギリマイコガの2種しか知られていない。はねは非常に細長く、前翅は金属光沢に輝く。科名は、成虫陽光の下に、葉上で舞うように動くことに由来している。

 現在のように科が細分される以前には、ニセマイコガ科に編入されている属種もこの科に入れられていた。カキの害虫としてよく知られているカキノヘタムシガなども現在ではニセマイコガ科に入れられている。

[井上 寛]

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