日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブレイン(Dennis Brain)
ぶれいん
Dennis Brain
(1921―1957)
イギリスのホルン奏者。ロンドンに生まれる。名手だった父オーブリーに手ほどきを受け、ロンドンの王立音楽大学でも父に師事、1938年にデビュー。第二次世界大戦中はイギリス空軍軍楽隊で活動、戦後ロイヤル・フィルハーモニーを経てフィルハーモニア管弦楽団の首席奏者となり、名をあげた。デニス・ブレイン管楽合奏団を結成、また独奏や室内楽でも活躍、ヒンデミットをはじめ幾人かの作曲家から作品を献呈され、ホルン界の至宝といわれたが、若くして交通事故死した。豊麗な響きに支えられた品のよい演奏で聴き手を魅了したが、その一端はレコードでうかがうことができる。
[岩井宏之]