フルビラ場所(読み)ふるびらばしよ

日本歴史地名大系 「フルビラ場所」の解説

フルビラ場所
ふるびらばしよ

古平川の流域一帯を中心に設定された場所。フルビラ持場ともいう。ほぼ現在の古平町域に相当するが、その範囲は一定していなかった。もとヒクニ場所境はフルビラ側がエカヱウシ(厚苫岬)、ビクニ側がシレハ(丸山岬)として相互に論じて果てることがなく、寄物は入会としていた。ヨイチ場所境は出岬(ワッカケ岬)に定め置いたが、いつの頃からかチャラセナイになったという(場所境調書)。フルビラ場所絵図(増田家蔵)ではヒクニ境がホロキナウス、ヨイチ境は「チヤラツナイ」とする。「西蝦夷地場所地名等控」では惣名フルビラとしてヘロカルイシトマリ、チヨベタン内、フルビラ、ラルマキなどとある。天保郷帳では西蝦夷地蝦夷人居所之分にフルビラ持場のうちとしてヘロカルイシ、ベンザイドマリ、「チヨベタン」、フルビラ川、メナシドマリ、ラルマキがみえる。「蝦夷商賈聞書」に「古平ふるひら、此所新井田与左衛門殿御預リ、蝦夷大分ニ住所也」「荷積高千弐百石、運上金三ケ年ニ三百両、是ハ知行主江揚ル、秋生鮭塩引三百石船ニ而参ル、三ケ年運上弐百両志摩守様江上ル、上々湊也」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報