古平(読み)ふるびら

改訂新版 世界大百科事典 「古平」の意味・わかりやすい解説

古平[町] (ふるびら)

北海道南西部,日本海に面する後志(しりべし)支庁古平郡の町。人口3611(2010)。積丹(しやこたん)半島北東岸に位置し,町域中央を古平川が北へ流れる。中心地の浜町は江戸時代初期に古平場所が置かれた地で,早くから季節的な和人の渡来があったが,漁業集落が形成されたのは安政年間(1854-60)以降である。明治時代はニシン漁でにぎわったが,ニシンの北上とともに衰退した。刺網漁業が行われるが,資源の減少から漁船の大型化,沖合漁業への転換が進められている。山麓傾斜地では肉牛,豚を飼育する。古平川上流の稲倉石ではマンガンを産出する。セタカムイ岩をはじめ,奇岩や絶壁の続く美しい海岸線一帯はニセコ積丹小樽海岸国定公園に含まれている。国道229号線が通じる。
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