日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フォンタナ(Nicolo Fontana)
ふぉんたな
Nicolo Fontana
(1499―1557)
イタリアの数学者。子供のとき、ブレシアへ侵入してきたフランス兵に父を殺され、自らも舌を切り取られた。そのためものをいうことが不自由であり、「タルターリア」Tartaglia(イタリア語で「どもり」の意)とあだ名された。独学で数学を身につけ、ベローナ、ブレシア、ベネチアの各大学で教授となっている。
三次方程式x3+px=q(この時代には式はなくことばで示されていた)の解法を樹立。この解法を公表しないという条件で請われるままにカルダーノに教えたところ、カルダーノは約束を違えて、1545年に出版した著書『すばらしい技術、すなわちアルゲブラの規則について』のなかで公表してしまった。現代の数学で「カルダーノの公式」とよんでいるものは、フォンタナのものである。
[小堀 憲]
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