ヒトエグモ(読み)ひとえぐも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒトエグモ」の意味・わかりやすい解説

ヒトエグモ
ひとえぐも / 単衣蜘蛛
[学] Plator nipponicus

節足動物門クモ形綱真正クモ目ヒトエグモ科に属するクモ。クモ類中で体がもっとも扁平(へんぺい)で、体長7、8ミリメートルに対して厚さは1ミリメートルぐらい。アワセグモより薄いのでヒトエグモという。まったく押しつぶされたようにみえる。頭胸部赤みを帯びた黄褐色腹部灰色で丸い。狭いすきまを好み、柱と敷居の間などに潜む。分布はあまり広くなく、近畿地方(とくに大阪地方)でよくみられる。朝鮮半島にもいるが、中国大陸のものは別種である。生態や生活史は十分わかっていない。分類学的に重要なクモである。

[八木沼健夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒトエグモ」の意味・わかりやすい解説

ヒトエグモ
Plator nipponicus

クモ綱クモ目ヒトエグモ科。体長 8mm。体は著しく扁平で,厚さ 1mm程度。歩脚,頭胸部は黄褐色,腹部は灰色で,黒褐色の毛でおおわれている。歩脚は長い。狭いすきまを好み,石垣の間,古い樹皮の下,家屋の壁の間などに身をひそめている。近畿地方に分布するが,非常に珍しい。なおヒトエグモ科 Platoridaeはクモ類中最も扁平で,横行性。日本産は本種1種のみ。 (→クモ類 )

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