ハラビロトンボ(読み)はらびろとんぼ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハラビロトンボ」の意味・わかりやすい解説

ハラビロトンボ
はらびろとんぼ / 腹広蜻蛉
[学] Lyriothemis pachygastra

昆虫トンボ目トンボ科の昆虫。小形で体長約35ミリ。腹部雌雄とも著しく幅広い。腹部は、初め麦藁(むぎわら)色の斑紋(はんもん)を示すが、雄は成熟によって体全体黒色化し、腹部はさらに蒼白(そうはく)粉を帯びるに至る。日本列島では北海道南端部から種子島(たねがしま)までに産するが、大陸では朝鮮半島、中国東北部および北・中部に分布する。日本では5~8月に出現し、高飛せず、平地の浅い沼沢湿原に多産する。幼虫もこれらの水域に生息する。

朝比奈正二郎


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