ノボタン(野牡丹)(読み)ノボタン(英語表記)Melastoma candidum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノボタン(野牡丹)」の意味・わかりやすい解説

ノボタン(野牡丹)
ノボタン
Melastoma candidum

ノボタン科の常緑低木。台湾,マレーシア,オーストラリアに産し,日本では南西諸島に自生するほか,観賞用に温室で栽培される。葉は対生し,卵形または楕円形で長さ 4.5~9cm,表面に粗毛が密生する。3本の葉脈が著しい。夏,枝先に直径 7cm内外の淡紫色の美花を単生する。花弁は5枚で互いにねじれて重なり,おしべ 10本,めしべ1本がある。果実は球形褐色の硬い毛が密生する。種子は細かい。南方では果実を食用にする。同属の植物は東南アジアの熱帯地方に多数あるが,小笠原諸島にもムニンノボタン M. tetramerumが知られている。この種はノボタンに比べて花はずっと小さく,ときに4数性の個体もみられる。

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