トライローカナート(英語表記)Trailokanat

改訂新版 世界大百科事典 「トライローカナート」の意味・わかりやすい解説

トライローカナート
Trailokanat
生没年:?-1488

タイ,アユタヤ朝のスワンナプーム王家第6代の王(在位1448-88)。東方アンコール帝国を攻略し,北方スコータイを併合した父王の後を受けてアユタヤ王となり,法律を整備して中央集権的統治体制の基礎を築いた。サクディナー制は王の治下に高度に発展し,すべての官吏は民部と兵部とに分属され,サクディナー,位階,欽賜名,職名によってその身分を規定された。その内容は《三印法典》所収の〈位階田法〉に詳しい。また〈王室典範〉の制定も王の治績に数えられる。こうした制度改革は,アンコール攻略のとき,アユタヤに連行されたクメール人知識層の協力に負うところが多いとされている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のトライローカナートの言及

【アユタヤ朝】より

…同王のとき北方の王国スコータイ朝はアユタヤ王国に併合された(1438)。総督としてピッサヌロークを治めた王子は父王の死後王位につき,トライローカナートを号した(1448‐88)。同王は王国支配の中央集権化のため,中央官制,地方統治組織,サクディナー制などの諸制度を始めた王として知られている。…

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