トウ(タフ)・はやくち(漢字)

普及版 字通 の解説


21画

[字音] トウ(タフ)
[字訓] はやくち

[説文解字]

[字形] 会意
三言に従う。〔説文〕三上に「疾く言ふなり。三言に從ふ。讀みて沓(たふ)の(ごと)くす」とあり、早口にしゃべりたてる意。金文の〔羌鐘(ひゆうきようしよう)〕に「楚京を(たふだつ)す」とあり、中に祈すること、その祈る語をという。呪誦経文のようにとなえるのであろう。

[訓義]
1. はやくち。
2. しゃべりつづける、しゃべりたてる。
3. と声義同じ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 言訥ならざるなり。加万々々志(かまかまし)〔名義抄〕 ヒヒメク・カマビスシ・トクイフ・タフトシ・カカシ・サヘヅル・ヒチメク 〔字鏡集〕 カマビスシ・ヒチメク・トクイフ・イフ・ハヤキコトバ・ヒヒメク・タフトシ・コトコトシ・サヘヅル

[語系]
dpは同声。(とう)は〔説文〕三上に「(たふたふ)なり」、〔玉〕に「(みだ)りに語るなり」とあって、早口にしゃべりたてる意。djiap、tjiapは声義近く、十一下は「衆言なり」、(しよう)三上は「气を失ひて言ふなり」「言、止まざるなり」とあって、うわごとのようにいいつづけることをいう。みな呪誦の意があり、同系の語である。

[下接語]

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報