デルチェフ(英語表記)Goce Delčev

改訂新版 世界大百科事典 「デルチェフ」の意味・わかりやすい解説

デルチェフ
Goce Delčev
生没年:1872-1903

ユーゴスラビア革命家マケドニア人。左翼活動を行いソフィア兵学校を追放された後,教師となる。オスマン・トルコ撤退後にそなえ革命組織の中央委員となり,手兵を率いてマケドニア全土を奔走。その戦略は,まず自治を獲得してきたるべき新生国家の一連邦を準備するというものだったが,業半ばで戦死する。マケドニアの民族意識が最大に高揚した〈イリンデン蜂起〉に先立つこと3ヵ月だった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のデルチェフの言及

【イリンデン蜂起】より

…8月2日(旧暦7月20日)の聖イリンIlinの日に勃発したのでこの名がある。マケドニアは現在の東西トラキアやアルバニアを含む諸地方とともに,ベルリン会議(1878)後もオスマン帝国領にとどまったため,19世紀末から自治を要求する運動(〈マケドニア人のためのマケドニア〉)が強まり,1893年には在内マケドニア人革命組織(IMRO)が結成されてデルチェフGotse Delchev(1872‐1903)ら社会民主主義者がこれを指導した。蜂起は指導部内の対立もあって準備不十分のまま始められたが,おもに農民からなる蜂起者は8月4日にクルシェボ(クルショボ)Kruševoを占領し,臨時政府を置いてクルシェボ共和国の宣言をおこなった。…

※「デルチェフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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