テフロ石(読み)てふろせき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テフロ石」の意味・わかりやすい解説

テフロ石
てふろせき
tephroite

橄欖石(かんらんせき)グループの鉱物の一つで、マンガン橄欖石ともいう。普通、粒状ないし塊状で、ごくまれに短柱状結晶がみられる。空気中で容易に酸化し、表面が黒くなる。変成層状マンガン鉱床中のマンガン高品位部分の主要な鉱石鉱物として、パイロクスマンガン石ばら輝石、園石(そのせき)、アレガニー石、菱(りょう)マンガン鉱、ハウスマン鉱ヤコブス鉱などとともに産する。英名灰色という意味のギリシア語に由来する。

松原 聰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のテフロ石の言及

【カンラン石(橄欖石)】より

…重要な造岩鉱物の一つであり,斜方晶系に属し,化学組成はR2SiO4(ここでRはMg,Fe,Mn,Caなど)で表される一群の鉱物の総称である。端成分はフォルステライトforsterite(苦土カンラン石)Mg2SiO4,フェアライトfayalite(鉄カンラン石)Fe2SiO4,テフロアイトtephroite(テフロ石)Mn2SiO4とモンチセライトmonticellite CaMgSiO4と名付けられている。天然産のもののほとんどすべてはフォルステライトのMgのうちの一部分(5~40%)がFeによって置換されたものであり,それらのものを単にカンラン石(フォルステライト‐フェアライトの固溶体系列)と呼ぶことが多い。…

※「テフロ石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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