ティンダル(Matthew Tindal)(読み)てぃんだる(英語表記)Matthew Tindal

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ティンダル(Matthew Tindal)
てぃんだる
Matthew Tindal
(1655/1657―1733)

イギリスの理神論者、法律家。オックスフォード大学オール・ソールズ学寮のフェロー。名誉革命(1688)ののち、リベラルな低(てい)教会ホイッグ党を拠点に、革新的な信仰や出版の自由を擁護したが、高(こう)教会の僧職制度に反論した著書キリスト教会の諸権利』(1706)は激しい非難を受け、焚書(ふんしょ)となった。晩年主著天地創造と同じく古いキリスト教』(1730)では、キリスト教を自然法則や理性認識に一致させ、啓示や奇跡を排除し、「理神論の聖書」と称された。本著はドイツの啓蒙(けいもう)神学にも影響を与えた。

玉井 実 2018年1月19日]

『L・スティーヴン著、中野好之訳『十八世紀イギリス思想史 上』(1969・筑摩書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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