ダニエル(Samuel Daniel)(読み)だにえる(英語表記)Samuel Daniel

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ダニエル(Samuel Daniel)
だにえる
Samuel Daniel
(1562―1619)

イギリスの詩人。オックスフォード大学中退後、詩作により貴族諸家の庇護(ひご)を得て生計をたてた。宮廷の職についたこともある。物語詩『ロザモンドの訴え』(1592)、セネカ風の悲劇クレオパトラ』(1594)、詩人の使命を説いた対話詩『ムゾフィラス(愛詩家)』(1599)、愛国的な叙事詩内乱』(1595~1609)などを書いたが、フランスの詩人デポルトを模したソネット集『ディーリア』(1592)が代表作。内容は常套(じょうとう)的であるが、流麗な表現が美しい。ほかに詩論『韻の弁護』(1603)など。

[藤井治彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android