タンブラン

デジタル大辞泉 「タンブラン」の意味・読み・例文・類語

タンブラン(〈フランス〉tambourin)

フランスプロバンス地方起源の、胴の長い太鼓。また、この太鼓の伴奏による4分の2拍子の活発で急テンポの舞踊

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精選版 日本国語大辞典 「タンブラン」の意味・読み・例文・類語

タンブラン

〘名〙 (tambourin)
① フランスのプロバンス地方に伝わる太鼓の一種。胴が長く、膜の直径約三〇センチメートルのほぼ二倍。長太鼓。
② フランスのプロバンス地方に発生した舞踊の一つ四分二拍子の、急テンポで活発な踊りで、①で伴奏したところからこの名ができた。

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百科事典マイペディア 「タンブラン」の意味・わかりやすい解説

タンブラン

南フランス,プロバンス地方の胴の長い円筒形両面太鼓。タンブラン・ド・プロバンス,タンボール・プロバンサルとも。バチで打つ方の面には1本の響線が張ってある。左肩や腕から紐で吊し,右手に持った1本のバチで打つ。ふつう1人の奏者が縦笛ガルベgaloubetを吹きながら奏し,ファランドールの踊りの伴奏をする。18世紀後半にはパリでも愛用され,オペラ座などに専門奏者が採用された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タンブラン」の意味・わかりやすい解説

タンブラン
tambourin

楽器および舞曲の一種。 (1) フランス,プロバンス地方に伝わる枠胴の長い民俗的な太鼓。 (2) ガルーベという小笛と (1) の伴奏による 18世紀に流行した2拍子の舞曲。 (3) タンブリン (タンバリン) の別称。枠胴の周囲に小さなシンバルが多くついていて,片手で打ち鳴らす1枚皮の小型の太鼓。スペインの民俗楽器として広く用いられるほか,近東にも類似の楽器がある。

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世界大百科事典(旧版)内のタンブランの言及

【太鼓】より

… 民俗音楽にも特筆すべき太鼓がある。南フランス,プロバンス地方のタンブランtambourinは胴の非常に深い(長い)太鼓で,ファランドールの踊りに欠くことができない。イギリスのテーバーtaborは逆に,胴のごく浅いものが目だつ。…

【フランス音楽】より

…〈踊り歌〉あるいは舞曲の中で特筆されるのは中央部に残っているブーレbourré(ベリー地方のものは2拍子,オーベルニュのものは速い3拍子など変化がある)や左右にステップを踏みながら左回りに輪になって踊るブランルbranleなど,古典組曲の中できく舞曲が,民俗的な姿で残っていることであろう。各地に残る郷土舞踊として,手をつなぎあった男女がガルーベgaloubet(小さな縦笛)とタンブラン(長太鼓)の音楽に合わせて踊る南部プロバンス地方のファランドールfarandole,プロバンス語でfarandouloなどは名高い。〈物語歌〉もフランス民謡の一つの特色をなし,たとえばトルバドゥール,トルベールの伝統を汲むもの,女たちが糸車を繰りながら歌った〈紡ぎ歌chansons à toile〉のなごり,伝説的あるいは小説的なテーマを扱った悲劇的な内容の〈哀歌complante〉の伝承などが認められる。…

※「タンブラン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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