タケ(竹)(読み)タケ

百科事典マイペディア 「タケ(竹)」の意味・わかりやすい解説

タケ(竹)【タケ】

イネ科で木質多年生の茎をもつものの総称タケ科として独立させる考えもある。熱帯〜温帯に多く,約30属500〜1000種。葉身は披針形で葉鞘との間にはっきりした葉柄がある。繁殖は主として地下茎で無性的に行い,何年かたって花が咲くと,たいていは枯死する。ときに全群落がいっせいに開花し,花後に全部枯れることがある。日本では,モウソウチクマダケハチククロチクなどが最も普通に見られ,観賞用とされるほか,茎は建材など,芽は(たけのこ)として食用とされる。また,タケの小型のものは一般にササといわれるが,明確な区別はない。植物学的には,ササはたけのこの皮(稈鞘)が生長しても落ちず,茎についているものをいう。
→関連項目繊維作物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タケ(竹)」の意味・わかりやすい解説

タケ(竹)
タケ
bamboo

イネ科タケ亜科に属する木質で多年生の茎をもつ植物の総称。ササ類 (→ササ〈笹〉 ) とタケ類とが含まれる。この類はときにはイネ科から分けてタケ科 Bambusaceaeとされることもある。アジア東部の温帯から熱帯モンスーン地帯にかけて広く分布するが,ヨーロッパやアメリカ大陸にはきわめてまれに知られる。タケ類とササ類との間の区別はあまりはっきりしないが,タケ類は一般に,茎が生長するにつれて竹の皮が脱落するものが多い。タケは観賞用として庭などに栽培されるほか,モウソウチクなどの若芽はたけのことして食用にされる。また割箸,竹細工釣竿,杖などの多方面に利用されている。日本にあるおもなタケは,マダケ (真竹)モウソウチク (孟宗竹)メダケ (女竹),ホウライチク Bambusa nana var. normalisナリヒラダケ (業平竹)などである。タケ類は普通花が咲かず,地下茎でふえるが,花が咲くとそのあと植物体は枯れてしまう。なおマダケは約 100年に1度花が咲くといわれている。

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