セントビンセント(英語表記)Saint Vincent

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セントビンセント」の意味・わかりやすい解説

セントビンセント
Saint Vincent

正式名称 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 Saint Vincent and the Grenadines。
面積 389km2
人口 11万800(2021推計)。
首都 キングスタウン

西インド諸島東部,小アンティル諸島南東部,ウィンドワード諸島中部にある島国セントビンセント島とその南に連なるグレナディーン諸島北部からなる。セントビンセント島は森林に覆われた火山島で,北部にある最高峰スフリエール山 (1234m) は 1812年,1902年に大噴火,その後も何度か火山活動を繰り返しており,最近では 1979年4月に噴火している。熱帯貿易風帯に位置し,1~5月が乾季。しばしばハリケーンに襲われ,1980年には大きな被害を受けた。 18世紀頃からイギリス人,フランス人,オランダ人が植民を開始し,領有変遷を経て 1783年イギリス領。この間しだいに圧迫されていった先住民のカリブ族は 1795年蜂起したが,翌 1796年鎮圧され,大部分がホンジュラス沖のバイア諸島へ追放された。 19世紀奴隷制廃止後ポルトガル人,インド人などの労働力を導入し,サトウキビ栽培を続けた。 1969年西インド諸島連合州に加盟し,その一州として完全な内政自治権を獲得したのち,1979年 10月 27日独立し,イギリス連邦の構成国となった。住民の約 95%はアフリカ系黒人および混血公用語英語であるが,フランス語方言も広く使用されている。主産業は農業で,バナナ,クズウコンを中心に,芋類,プランテーン (料理用バナナ) などを栽培。

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