シュタイアーマルク(読み)しゅたいあーまるく(英語表記)Steiermark

世界大百科事典 第2版 「シュタイアーマルク」の意味・わかりやすい解説

シュタイアーマルク【Steiermark】

オーストリア中南部の州。面積1万6387km2,人口120万8000(1995)。住民の主流はゲルマン系のバイエルン人で,宗教上は90%がカトリック系。州都グラーツ。北部はアルプスの南東尾根を形づくる多くの山脈渓谷から成る。南部はハンガリー平原につながる丘陵地帯で,〈緑の州〉と通称されるように,総面積の51%が森林,26%が牧野で,林業畜産が栄える。古来この地方の開発は豊富な鉱産資源に負うところが多く,全国産出高の90%を占めるエルツベルクの鉄鉱石をはじめ,各地で褐炭マグネサイト黒鉛,滑石,セッコウを産する。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュタイアーマルク」の意味・わかりやすい解説

シュタイアーマルク
しゅたいあーまるく
Steiermark

オーストリア南東部にあり、スロベニアに接する州。英語名スティリアStyria。面積1万6388平方キロメートル、人口118万5911(2001)。面積は同国第2位、人口も第4位を占める大きな州である。州都はグラーツ。州の4分の3は山地で、その大部分は森林に覆われるので、「グリューネ・マルク」Grüne Mark(緑の州)とよばれる。80万ヘクタールに及ぶ森林面積は全国第1位で、製紙・木材加工業が盛んである。農業は牧畜が重要で、農家収入の4分の3はこれによっている。しかしこの州の特色は、全国の94%の産出をもつ鉄鉱石をはじめとする鉱産物と、これに基礎を置く鉄鋼業、機械工業にある。鉄鋼業はレオーベン・ドナウィツ、カッペンベルク、ミュルツツーシュラークで盛んである。

[前島郁雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のシュタイアーマルクの言及

【グラーツ】より

…オーストリア南東部,シュタイアーマルク州の州都。人口23万8000(1991)。…

※「シュタイアーマルク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

破壊措置命令

弾道ミサイルなどが日本に飛来・落下する恐れのある場合に、それを破壊するよう防衛大臣が自衛隊に命じること。弾道ミサイル破壊措置命令。[補説]原則として内閣総理大臣の承認を得た上で行われるが、事態の急変な...

破壊措置命令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android