シソ(紫蘇)(読み)シソ(英語表記)Perilla frutescens var. crispa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シソ(紫蘇)」の意味・わかりやすい解説

シソ(紫蘇)
シソ
Perilla frutescens var. crispa

シソ科一年草で,中国原産。昔から食用に栽培されている。高さ約 50cmの直立する茎は四角で多数分枝する。紅紫色の葉は卵形でとがり,鋸歯があって,対生する。葉にはチアニジン配糖体が含まれ,梅干の色づけに用いる。9月頃,枝先の葉腋に総状花序を直立し,細かな紫紅色の花を開く。栽培品種が多く葉の表面だけが緑色がかったものをカタメンジソと呼び,両面とも鮮かな緑色で軟らかな葉のものをアオジソと呼ぶ。アオジソは花が白く,特に芳香が強いので,薬味などに用いる。葉全体に皺の多いチリメンジソなどもある。植物分類学的にはこれらのシソはすべて,日本や東アジアの山地に野生するエゴマ P. frutescens var. japonicaの同一種内の変種関係とみなされている。

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百科事典マイペディア 「シソ(紫蘇)」の意味・わかりやすい解説

シソ(紫蘇)【シソ】

中国,ヒマラヤ原産のシソ科の一年草。日本では古くから栽培された。全体に芳香があり,高さ1m内外,葉は卵形で鋸歯(きょし)があり幅6〜10cm。夏〜秋,淡紫色または白色の小さな唇形(しんけい)花を穂状につけ,果実は筒形の萼の底に熟す。葉,花穂,果実は食用となり,アントシアン系の色素の有無によって赤ジソ系と青ジソ系とに分けられ,利用の形によって芽ジソ葉ジソ,穂ジソ,実ジソが区別される。梅干しや芽ジソには赤ジソ系が,葉ジソには主に青ジソ系が用いられる。栽培品種も多く,また変種であるエゴマとは容易に交雑する。

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