サ行変格活用(読み)サギョウヘンカクカツヨウ

デジタル大辞泉 「サ行変格活用」の意味・読み・例文・類語

さぎょう‐へんかくかつよう〔さギヤウヘンカククワツヨウ〕【サ行変格活用】

動詞活用形式の一。語形が、文語では「せ・し・す・する・すれ・せよ」、口語では「し(せ・さ)・し・する・する・すれ・しろ(せよ)」のように、文語では五十音サ行のシ・ス・セ三段の音で、口語ではサ・シ・ス・セ四段の音で語形変化する類例のない活用。この活用をする動詞は、文語では「(為)」「おはす」、また、中古の「います」、口語では「する」だけであるが、和語漢語外来語や、名詞副詞など他の品詞の語について、多くの複合動詞がつくられる。「恋す(る)」「啓す」「熱する」「びくびくする」「ドライブする」など。「甘んずる」「応ずる」などザ行に活用するものも含む。サ変

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精選版 日本国語大辞典 「サ行変格活用」の意味・読み・例文・類語

さぎょう‐へんかくかつよう さギャウヘンカククヮツヨウ【サ行変格活用】

〘名〙 動詞活用の一つ。文語では「す(為)」、口語では「する」の活用で、サ行で三段に変化する。すなわち、文語「せ・し・す・する・すれ・せよ」、口語「し(せ・さ)・し・する・する・すれ・せよ(しろ)」。この動詞は動詞、形容詞や和語の名詞、漢語その他の外来語と複合するが、その活用は同様である。「心す」「与(くみ)す」「重んず」「愛す」「キャッチする」など。ただし、口語ではザ行上一段(「命じる」「軽んじる」)、サ行四段(「愛す」「訳す」)などに変化していく傾向の顕著な類がある。サ行変格。サ変。〔語彙別記(1871)〕

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世界大百科事典(旧版)内のサ行変格活用の言及

【活用】より


[活用の型]
 現代の口語では,大別して動詞型,形容詞型,ダナ型,特殊型の4種になる。動詞型には,(1)終末の音節の母音が交替することを主とするもの(五段活用),(2)一定の音節連続の後にル・レ・ロなどを交替添加また不添加することによるもの(上・下一段活用),(3)両者の混合によるもの(カ行変格・サ行変格活用)がある。形容詞型は,イ・ク・ケレなどの交替添加による。…

※「サ行変格活用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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