サン・フアン(アメリカ領プエルト・リコ)(読み)さんふあん(英語表記)San Juan

翻訳|San Juan

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サン・フアン(アメリカ領プエルト・リコ)
さんふあん
San Juan

アメリカ領プエルト・リコの首都。西インド諸島中部のプエルト・リコ島北東岸に位置し、同島の交通、商業の中心地である。人口42万1958(2000)。古い市街は天然の良港サン・フアン湾の入口を囲むようにしている二つの島にある。精糖、ラム酒の醸造、金属加工、印刷・出版、宝石製靴衣服、家具、電子部品、化学薬品プラスチックなどの工業が発達し、砂糖、タバコ、コーヒー、果物が主要輸出品である。1521年集落がつくられ、18~19世紀に西インド諸島の中継ぎ貿易港として栄え、1898年のアメリカ・スペイン戦争の際アメリカに占領された。古い市街には狭い通り、小さな商店、バルコニーの突き出た家々があり、植民地時代の雰囲気を漂わせている。また、港を見下ろす地点にはエル・モル城塞(じょうさい)(1539建設)、サン・クリストバル城(1631建設)、サン・ホセ教会(1523建設)などの古い建物が多い。付近には美しい砂浜が多く、アメリカ本土から多くの観光・保養客が訪れる。なお、サン・フアンの歴史地区と16世紀に建てられた要塞(ようさい)のラ・フォルタレサは1983年に世界遺産文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[菅野峰明]

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