サントドミンゴ教会(読み)サントドミンゴキョウカイ

デジタル大辞泉 「サントドミンゴ教会」の意味・読み・例文・類語

サントドミンゴ‐きょうかい〔‐ケウクワイ〕【サントドミンゴ教会】

Iglesia de Santo Domingo
ペルーの首都リマの旧市街にある教会。16世紀半ばに建造。スペイン植民地時代の聖者マルティン=デ=ポレスを祭る。隣接する修道院回廊セビリア産のタイルで装飾されている。現在は博物館として公開。周辺一帯が、1988年に「リマ歴史地区」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。
エクアドルの首都キトの旧市街にあるドミニコ会の教会および修道院。修道院は17世紀初頭に創設、約100年後に教会が建てられた。ロザリオの聖母礼拝堂にある祭壇は、精緻な木彫りと赤や金色の装飾で知られる。博物館を併設。同教会・修道院を含む旧市街は、1978年に「キト市街」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録。
ペルー南部の都市クスコの市街中心部にある教会。元はインカ帝国コリカンチャとよばれる太陽神殿であり、黄金神像や祭壇があったが、スペイン人により略奪・破壊された。併設する修道院の土台部分に、神殿時代の石組みが残る。
メキシコ南部、オアハカ州の都市オアハカにある教会。16世紀から17世紀にかけて建造。内部は精緻な浮き彫り金箔による装飾が隙間なく施され、同国におけるバロック様式傑作の一とされる。1987年、「オアハカ歴史地区とモンテアルバンの古代遺跡」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。
メキシコ中東部、プエブラ州の都市プエブラにある教会。旧市街に位置する。17世紀に建造。精緻な浮き彫りと金箔が施されたロサリオ礼拝堂が有名。1987年、「プエブラ歴史地区」として世界遺産(文化遺産)に登録された。
メキシコ南東部、チアパス州の町サンクリストバルデラスカサスにある教会。16世紀に建造。17世紀に一面に浮き彫りが施されたバロック様式のファサードが完成した。付属の修道院は同州の先住民の文化や歴史を紹介する博物館になっている。

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世界の観光地名がわかる事典 「サントドミンゴ教会」の解説

サントドミンゴきょうかい【サントドミンゴ教会】

ペルーの古都クスコにある教会。インカ帝国時代には「コリカンカ」と呼ばれた宮殿で、「コリ」は「黄金」、「カンカ」は「居場所」という意味で、当時の宮殿は黄金で埋め尽くされていたといわれる。まさにエルドラド(黄金郷)だったが、その金はスペインの征服者によってすべて奪われた。当時の神殿は月、太陽、稲妻、虹、星を表す部屋で構成され、美しい石組みで囲まれていた。石は安山岩で、クスコから35kmもの場所から運ばれてきた。スペインの征服により、そのコリカンカの石組みの上にこの教会が建てられた。現在、黄金はないが、インカやプレインカ時代の出土品が展示される博物館になっている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報