サリドマイド製剤(読み)サリドマイドセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「サリドマイド製剤」の解説

サリドマイド製剤

製品名
《サリドマイド製剤》
サレド(藤本製薬)
《ポマリドミド製剤》
ポマリスト(セルジーン)
《レナリドミド水和物製剤》
レブラミド(セルジーン)

 再発または難治性の多発性骨髄腫の治療に用います。また、サリドマイド製剤らい性結節性紅斑の治療にも用います。レナリドミド水和物製剤はサリドマイド類縁物質で、造血器腫瘍治療剤として多発性骨髄腫のほか、5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群、再発性または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫にも用いる薬です。


サリドマイド製剤では、催奇形性、深部静脈血栓症肺塞栓症、脳梗塞、間質性肺炎、感染症、末梢神経障害、骨髄機能抑制、虚血性心疾患、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死えし症、消化管穿孔せんこう、腫瘍崩壊症候群、鎮静・傾眠・嗜眠状態、けいれん、起立性低血圧、心不全、不整脈、甲状腺機能低下症、肝機能障害が現れることがあります。


 ポマリドミド製剤では、深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳梗塞、骨髄抑制、感染症、腫瘍崩壊症候群、心不全、不整脈、急性腎障害、過敏症、末梢神経障害、間質性肺炎、肝機能障害、黄疸おうだんが現れることがあります。


 レナリドミド水和物製剤では、進行性多巣性白質脳症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳梗塞、一過性脳虚血発作、骨髄抑制(好中球・白血球・リンパ球・血小板減少症、貧血など)、感染症、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、腫瘍崩壊症候群、間質性肺疾患、心筋梗塞、心不全、不整脈、末梢性神経障害、甲状腺機能低下症、消化管穿孔、起立性低血圧、けいれん、黄疸、肝機能障害、重い腎障害などが現れることがあります。


 このような症状が現れたら、使用を中止してすぐ医師に報告してください。


②そのほかに、便秘、下痢吐き気、呼吸困難、上気道の炎症、食欲不振、浮動性めまい、ねむけ、疲労、発熱、倦怠感などが現れることがあります。


①カプセル剤で、1日1回の服用です。サリドマイド製剤は就寝前に服用します。この薬の成分に対する過敏症の既往歴のある人、安全管理手順を遵守できない人、妊婦または妊娠している可能性のある人などは使用できません。薬の成分が精液中に移行するので、男性でも有効な避妊法が必要です。


 ポマリドミド製剤レナリドミド水和物製剤では1日1回、21日間の内服後、7日間休薬します。再発性または難治性の成人T細胞白血病・リンパ腫では1日1回服用します。


サリドマイド製剤では、深部静脈血栓症の人、HIV感染症の人、ほかの薬を使用している人などは、医師に相談してから用いてください。


 ポマリドミド製剤では、肝・腎機能障害のある人、深部静脈血栓症のリスクをもつ人、骨髄抑制のある人、サリドマイドまたはレナリミドによる重篤な過敏症の既往歴のある人、高齢者、ほかの薬を使用している人などは、医師に相談してから使用してください。


 レナリドミド水和物製剤では、腎機能障害のある人、深部静脈血栓症のリスクをもつ人、骨髄抑制のある人、サリドマイドによる重篤な過敏症の既往歴のある人、高齢者、ジギタリス製剤を使用している人などは、医師に相談してから用いてください。


③服用開始から終了4週間後までは精子・精液・献血などの提供はできません。


④めまい、かすみ目などが現れることがあるので、自動車運転や危険な作業は避けてください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報