コラ半島(読み)コラはんとう(英語表記)Kol'skii poluostrov

改訂新版 世界大百科事典 「コラ半島」の意味・わかりやすい解説

コラ半島 (コラはんとう)
Kol'skii poluostrov

ロシア連邦北西端にある半島ムルマンスク州に属する。北西から南東に突出し,北岸は北極海の一部のバレンツ海に,南岸は白海とその奥のカンダラクシャ湾に面する。同湾最奥部からの長さ約370km,幅約290km,面積約10万km2。地質学上はバルト楯状地の北東縁にあたり,大半は片麻岩や花コウ岩からなる。西部にはヒビン山地(最高点1191m)などがあるが,他は標高300m程度の準平原状の丘陵で,表面はツンドラ南北に長い氷食湖が多数あり,半島の南縁は背の低い針葉樹林となる。ニッケルセッコウ,鉄の埋蔵が知られ,ロシア有数の鉱山都市キーロフスクKirovskがヒビン山麓にある。北極海岸には不凍港のムルマンスクがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コラ半島」の意味・わかりやすい解説

コラ半島
コラはんとう
Kol'skii poluostrov

ロシア北西部,ムルマンスク州にある半島。バレンツ海と白海の間に北西から南東に約 400km突出する。面積約 10万 km2。地質構造的にはスカンジナビア半島から続くバルト楯状地で,先カンブリア時代の花崗岩,片麻岩などから成り,火成岩の貫入もみられる。北岸は高い崖をなすが,南岸は低く,沿岸に湿地帯が多い。最高点は半島基部にあるヒビヌイ山地の 1191m。イマンドラ湖をはじめ湖が多い。気候暖流のノースケープ海流の影響で高緯度のわりには温暖で,平均気温は1月北部で-8℃,中部で-13℃,7月はそれぞれ8℃,14℃である。北部はツンドラ地帯,南部は森林地帯に入る。沿岸で漁業内陸でサミ人によりトナカイの遊牧が行われるほか,ヒビヌイ山地に近いキーロフスク,アパチートゥイを中心に,リン灰石,霞石,ジルコニウムなどが採掘される。北岸に不凍港ムルマンスク,南岸白海奥にカンダラクシャ港がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コラ半島」の意味・わかりやすい解説

コラ半島
こらはんとう
Кольский Полуостров/Kol'skiy Poluostrov

ロシア連邦北西部、ムルマンスク州にある半島。白海とバレンツ海を分ける。全域のほとんどが北極圏内にある。面積約10万平方キロメートル。半島西部は山地で最大標高1191メートル。沿岸をメキシコ湾流が洗うため気候は全般に温和で、半島北岸に不凍港をもつムルマンスク市がある。燐灰(りんかい)石、鉄鉱石、ニッケル、雲母(うんも)、陶土を産し、キーロフスクは代表的な鉱山都市。

[小宮山武治]

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百科事典マイペディア 「コラ半島」の意味・わかりやすい解説

コラ半島【コラはんとう】

ロシア北西部,バレンツ海と白海との間にある半島。約10万km2。山地多く,ツンドラにおおわれ,リン灰石,ニッケル鉱などを埋蔵。北岸にある不凍港ムルマンスクが中心地。核兵器貯蔵基地があり,軍事上の一大拠点。

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