コタンベツ(読み)こたんべつ

日本歴史地名大系 「コタンベツ」の解説

コタンベツ
こたんべつ

漢字表記地名古潭」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名・河川名として記録されている。当地一帯は近代に入って古潭こたん村に包含された。仮名表記は「コタンヘツ」(観国録)、「コタンベツ」(「観国録」「協和私役」、「丁巳日誌」天之穂日誌など)以外に異表記をみない。板本「西蝦夷日誌」に「コタンベツ小川、幅五六間」とみえ、語義について「昔しより夷家此所に有し故号く」とする。「協和私役」に「コタンベツ川を渡る。夷家十許」(安政三年七月八日条)とあり、近辺は「皆漁場」であった(「観国録」同四年四月二八日条)

コタンベツ
こたんべつ

漢字表記地名「古丹別」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか、河川・岬の名称としてもみえる。享保十二年所附に「こたん別」とあるほか、仮名表記に「コタンヘツ」(蝦夷巡覧筆記・駅路抵記)、「コタンベツ」(西蝦夷地名考)などがみえる。「西蝦夷地名考」に「コタンは村、ベツは川也。当所大川有。已前は鱒鮭多く有之、夷人ども住居漁業いたし候所也」と説かれる。「西蝦夷地場所地名等控」に惣名テシホのうちとしてコタンベツとあり、天保郷帳にテシホ持場のうちとして「コタンベツ」がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報