ケーニヒ(Karl Rudolph König)(読み)けーにひ(英語表記)Karl Rudolph König

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ケーニヒ(Karl Rudolph König)
けーにひ
Karl Rudolph König
(1832―1901)

ドイツの物理学者ケーニヒスベルクに生まれ、ケーニヒスベルク大学で物理学の学位を取得、以後パリに移った。パリでは数年間バイオリン製作の修業をしたのち、1858年からさまざまな音響装置の製作と実験を行った。1862年のロンドン万国博覧会には「躍り火」装置を出品、金賞を得た。これは、らっぱを通して集められた音の振動が装置に備えた膜を震わせ、それによる炎の形の変化を観測するという装置であった。そのほか、回転ドラムに音波を記録する装置、いくつかの母音を人工的に合成するための音叉(おんさ)と共鳴器との組合せ装置なども知られている。また人間の可聴音域を精密に測定し、最高値が年齢によって低下することを自ら確認した。1882年、数多くの実験を『音響学の諸実験』と題して本にまとめ刊行した。

高山 進]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例