ケネカ(読み)けねか

日本歴史地名大系 「ケネカ」の解説

ケネカ
けねか

アイヌ語に由来する地名。河川名としても記録されている。当地一帯は近代に入り標津村に包含された。仮名表記は「ケネカ」(協和私役・観国録・行程記)、「ケ子カ」(「東行漫筆」「地名考并里程記」「観国録」「西蝦夷日誌」など)以外に異表記をみない。近傍には「ケネカブト」「ホンケネカブト」「ホンケネタイ」など類似の地名が多く、「ケネカ」は惣名としても用いられていたようである。「東蝦夷地場所大概書」に「しべつ川上けね川、ほんけね川、場所は根諸場所なれども、前々より久寿里夷人住居す。夏は蝶鮫皮、同油、あつしの類を産物に出す」とある。「東行漫筆」にはさらに「鮭、アタツ、わしの羽買入」(文化六年四月二四日条)も行われていたことが記される。番屋については「此所三間六間の番屋有之、冬ニ至り番人越年致し矢羽、アツシ等軽物シャリ夷人等打交り買上候よし。右ニ付番屋有之、此三太郎越年罷リ来候よし」とあるほか、「クスリ番屋有之、番人一人充冬ハ越年致し、クスリ夷人限りの軽もの取受候よし。両所共番屋並び有之よし」と記され、ネモロ・クスリ(釧路)両場所の番屋が置かれていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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