クリュソロラス(英語表記)Manouēl Chrysolōras

改訂新版 世界大百科事典 「クリュソロラス」の意味・わかりやすい解説

クリュソロラス
Manouēl Chrysolōras
生没年:1350ころ-1415

ビザンティン帝国文人。トマス神学のビザンティン世界への紹介者キュドネス・デメトリオスの教えをうけ,カトリック改宗。対オスマン・トルコ防衛の使節として,皇帝マヌエル2世により何回か西ヨーロッパに派遣される。1397年文芸復興の推進者コルッチオ・サルターティによりフィレンツェに招かれてギリシア語を教え,門下からブルーニポッジフィレルフォなどの人文主義者が輩出した。コンスタンツ公会議開始直後同地で死去書簡,神学論文のほか,近代西ヨーロッパ最初のギリシア語文法書である《ギリシア語問答》を著し,またプラトンの《政治》の最初の忠実なラテン語訳をのこした。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android