クリム・サムギンの生涯(読み)くりむさむぎんのしょうがい(英語表記)Жизнь Клима Самгина/Zhizn' Klima Samgina

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリム・サムギンの生涯」の意味・わかりやすい解説

クリム・サムギンの生涯
くりむさむぎんのしょうがい
Жизнь Клима Самгина/Zhizn' Klima Samgina

ロシアソ連の作家ゴーリキー長編小説。1925年から死ぬまで書き続け、ついに未完に終わった。第1部は1927年、第2部は28年、第3部は30年に刊行。第4部は死後発表された。副題は「四十年」。19世紀の80年代から1917年革命まで40年間のロシアの歴史を背景に数百の人物を登場させながら、自分自身のエゴのみを追求する1人の知識人クリム・サムギン(サムとは自分自身の意)の自滅生涯を追う形で、革命に至るロシア社会を描く大河小説主人公に即していえば「空虚な魂の歴史」(作者のことば)である。主人公が作者によって好意をもたれていない点と、章によるくぎりを設けていない点に特徴がある。

[佐藤清郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android