クラマース=クローニヒの関係式(読み)クラマース=クローニヒのかんけいしき(英語表記)Kramers-Kronig relations

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

クラマース=クローニヒの関係式
クラマース=クローニヒのかんけいしき
Kramers-Kronig relations

誘電体複素誘電率 ε(ω) を ε(ω)=ε'(ω)+iε''(ω) のように実数部分と虚数部分に分けて書くとき,ε' と ε'' の間に成り立つ次の関係をクラマース=クローニヒの関係式という。
ただしPは x=ω では主値をとることを表わす。これは物理的には因果律結果であり,誘電率だけではなく磁性体帯磁率,さらには量子力学での散乱振幅に対しても同様な関係が成り立ち,一般に分散公式と呼ばれている。

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世界大百科事典(旧版)内のクラマース=クローニヒの関係式の言及

【誘電体】より

…これをLST(リデン=ザックス=テラー)の関係式という。
[クラマース=クローニヒの関係式]
 時間的に変化する電場によって電気分極が生ずるとき,因果律により,電気分極の変化が電場の変化に先立つことはない。このことから,電気感受率関数χ(ω)の実部χ′(ω)と虚部χ″(ω)は互いに独立ではなく,が成り立つ。…

※「クラマース=クローニヒの関係式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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