カンヌ会議(読み)かんぬかいぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンヌ会議」の意味・わかりやすい解説

カンヌ会議
かんぬかいぎ

1922年1月6~13日フランスカンヌCannesで開かれた連合国最高会議ドイツ賠償モラトリアム要求を契機として、21年12月のロンドン予備会議を経て開催。賠償、安全保障、経済再建を結び付けようとするイギリス首相ロイド・ジョージ提案で、ヨーロッパ経済再建のためのジェノバ会議招集が決定された。賠償に関しては会議なかばにフランスのブリアン内閣が崩壊したためもあって成果なく終わった。

[栗原 優]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「カンヌ会議」の解説

カンヌ会議
カンヌかいぎ
Cannes

イギリスの提唱により,1922年,フランスのカンヌで開かれたヨーロッパ経済会議
ドイツ賠償問題とソ連との国交回復問題が議題。第一次世界大戦後の不況を乗りこえるため,イギリスは,ソ連のネップ新経済政策)に注目し,ソ連との国交回復を切望した。この会議で,内政不干渉私有財産尊重,外国資本の保証などがソ連政権承認の条件として決定された。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「カンヌ会議」の解説

カンヌ会議(カンヌかいぎ)
Cannes

1922年1月,フランスのカンヌで開催された連合国最高会議。ドイツの賠償支払い猶予要請を協議し,ヨーロッパの経済復興のため,ジェノヴァにソ連,ドイツを含めた世界経済会議を招集することを決定した。

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