カワモズク(川水雲)(読み)カワモズク(英語表記)Batrachospermum moniliforme

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カワモズク(川水雲)」の意味・わかりやすい解説

カワモズク(川水雲)
カワモズク
Batrachospermum moniliforme

紅藻類ウミゾウメン目カワモズク科の淡水藻。清く冷たい流れの水底の石上に着生する。 12月~3月が最盛期である。藻体は全長 10cm以上になる。褐色ないし暗紫色,数回分枝するが,その主軸や主分枝は長形の細胞が束になっており,それら主軸や主分枝のところどころの節には輪生的に多数の小枝をつける。この小枝は単列の細胞から成る糸状体で,さらに数回二叉的に分枝し,成熟時その先端に造精器を,また分枝の一部に造果器を生じる。造果器はとくり状で受精突起をもつ。造精器に生じた雄精子は鞭毛などをもたないので,水流に乗って受精突起に到達して受精する。受精した造果器は周囲の小枝に取囲まれて嚢果となり,果胞子を形成する。日本にはヒメカワモズクその他数種のものが知られている。なおカワモズク類は,シャントランシア Chantransiaという幼世代で越夏することも知られている。食用とすることもある。

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